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第一級陸上特殊無線技士(以下、一陸特)は、陸上にある無線局の無線設備を技術的に操作するための国家資格です。携帯電話の基地局やテレビ中継局の保守・点検業務、さらには気象レーダ ーや速度違反取締装置の操作など、陸上における多岐にわたる無線設備の技術操作が可能になります。
この資格は業務独占資格であり、特定の無線設備の操作には一陸特の資格が必須です。特に近年はローカル5Gの需要の高まりやIoT化の進展により通信インフラの整備が加速しており、一陸特の有資格者の需要は高まっています。
一陸特の試験概要と難易度
一陸特の試験は例年6月、10月、2月に行われ、年に3回のチャンスがあります。つまり、学習計画もその試験日から逆算して立てる必要があるでしょう。
試験科目・形式・合格ライン
一陸特の試験科目は「無線工学」と「法規」の2科目で、いずれも多肢選択式のマークシート形式です。
無線工学:24問(120点満点中75点以上で合格)
法規:12問(60点満点中40点以上で合格)
合格には両科目ともに基準点を超える必要があります。特に無線工学では計算問題が5〜7問程度出題されるため、文系出身者や理数系が苦手な方にとっては対策が重要になります。
合格率と難しさの実態
一陸特の合格率は例年30%程度で推移しており、国家資格の中では難易度が高い部類に入ります。二陸特や三陸特の合格率が70〜90%以上であることを考えると、一陸特がより専門的な知識を求める資格であることがわかります。
難易度が高いとされる主な理由は、無線工学における計算問題の複雑さです。抵抗・コイル・コンデンサが組み合わさったRLC回路の計算や、対数(log)を用いた計算問題など、高校で学習する数学や物理の知識が必要となります。また、法規も問題文が長く、正確な読解力が求められる傾向にあります。
しかし、一陸特の試験では過去問と同じ、または類似した問題が多く出題される傾向があるため、適切な対策と学習を継続すれば、未経験者や理数系が苦手な方でも十分に合格を目指せる資格です。
理数苦手でも合格できる?
「理数系が苦手だから、一陸特は無理だ」と感じる方もいるかもしれませんが、諦める必要はありません。実際、文系出身で理数系に苦手意識があったにも関わらず、独学で一陸特の合格を勝ち取った事例は多数あります。
合格の鍵は、敢えて満点は狙わず対策を効率的に行うことです。無理にすべての難問を解けるようになる必要はなく、過去問で頻出する基本的な計算問題や知識問題を確実に得点できるようになる方が合格できる可能性が高まります。計算問題が苦手な方でも、後述する学習スケジュールを実践することで十分対応可能です。
必要な勉強時間と学習スケジュール例
一陸特の合格に必要な勉強時間は、一般的に120〜150時間程度と言われています。もちろん、無線に関する事前知識の有無や学習効率によって個人差はありますが、この時間を一つの目安として学習計画を立てるのが良いでしょう。
仕事と両立できる現実的プラン
週5日、1日8時間勤務の社会人が、無理なく学習を継続するためには、1日あたりの勉強時間を2時間程度に設定するのが現実的です。通勤時間や就寝前のスキマ時間を活用することで、まとまった学習時間を確保できます。
1日2時間×2ヶ月のおすすめスケジュール
1日2時間の学習時間を確保できる場合、約2ヶ月間で合計120時間程度の学習が見込めます。この期間で合格を目指すためのおすすめスケジュールは以下の通りです。
1ヶ月目:無線工学の基礎固めと計算問題対策
無線工学の参考書を読み込み、全体像を把握する(読み飛ばしOK)
過去問を解き始め、苦手な計算問題の傾向を掴む
計算問題に特化した教材や解説サイト、動画等を利用し、基本的な公式や解法を習得 する
1日30分〜1時間程度は計算問題に充てる
2ヶ月目:法規の暗記と過去問演習の繰り返し
法規の参考書を読み込み、法律の趣旨を理解する
法規の過去問を解き、出題パターンを覚える
無線工学・法規ともに過去問演習を繰り返し、解答の根拠を理解する
苦手な問題や間違えやすい箇所を重点的に復習する
※数学に苦手意識がある方は、まずは学習の第一歩のハードルを下げるために1か月目に法規を持ってきてもかまいません。
学習ペース管理のコツ
毎日少しずつ継続する:週末にまとめて学習するよりも、毎日短時間でも学習を続ける方が知識の定着に効果的です。特に暗記科目は、何度も反復することで記憶が強化されます。また、日々のルーティンに組み込むことで習慣化されやすく、挫折もしづらくなります。
進捗を見える化する:学習時間や進捗を記録することで、自分の頑張りを実感でき、モチベーション維持に繋がります。ToDoリストを作成し、完了したらチェックを入れるのも良いでしょう。
目標を細分 化する:大きな目標だけでなく、1日や1週間単位の小さな目標を設定することで、達成感を頻繁に得られ、学習を継続しやすくなります。
おすすめの参考書・過去問サイト
独学で一陸特の合格を目指す場合、適切な教材選びが重要です。
参考書
『やさしく学ぶ 第一級陸上特殊無線技士試験』(吉村和昭 著)
文系出身者にも分かりやすいと評判の参考書です。図やイラストが多く、初心者でもイメージしやすい工夫がされています。辞書的に活用するのもおすすめです。
『第一級陸上特殊無線技士国家試験 計算問題突破塾』
計算問題に特化した問題集で、特にlog計算など苦手な方が多い分野を分かりやすく解説しています。
過去問サイト
日本無線協会公式サイト
直近の過去問と解答が正確に掲載されています。模試感覚で利用するのに最適です。
電波受験界
数年分の過去問と解答がPDF形式でダウンロード可能です。
はちさんの通信系資格ブログ、kema’s Homepage、DIGI RADIO(デジラジオ)
これらのサイトでは、過去問の丁寧な解説や、計算問題の解法などが詳しく紹介されています。特に「はちさんの通信系資格ブログ」は、図やイラストが豊富で非常に分かりやすいと評判です。
独学のコツと苦手分野克服法
苦手を感じたらどうするか
勉強中に「どうしても理解できない」「やる気が出ない」と感じたら、無理に一人で抱え込まず、以下のような対策を試してみましょう。
一旦諦める勇気を持つ
すべての問題を完璧に理解しようとすると、学習が停滞し、モチベーションが低下します。特に難問や奇問は、再び出題される可能性が低いものもあります。深追いせず、一旦諦めて次の問題に進むことも重要です。
異なる解説に触れる
一つの解説サイトや参考書で理解できない場合、別のサイトや書籍の解説を読んでみましょう。説明の視点が変わることで、理解が進むことがあります。
小さな成功体験を積み重ねる
簡単な問題や知識問題から確実に得点していくことで、「自分はできる」という達成感を得られます。これがモチベーション維持に繋がります。
時間がない人は養成過程を利用しよう
ここまで独学での勉強法を解説してきましたが、いくら工夫をしてもやはり独学には強い意思が必要です。その上、試験が年に3回しかないため、不合格になってしまった場合はまた数ヶ月待たなければなりません。その間に忘れてしまう知識もあるでしょう。そこでオススメなのが、養成過程で一陸特を取得する方法です。
養成過程とは?
養成課程とは、総務省の認定を受けた企業や機関が実施する講習会またはeラーニングを受講し、その企業や機関が作成した修了試験に合格することで、国家試験を免除で資格を取得できる方法です。
高い合格率: 国家試験の合格率が30%程度であるのに対し、養成課程の修了試験の合格率は90%以上と非常に高いことが特徴です。確実に資格を取得したい方にとって最も効率的で確実な方法と言えます。
学習計画の立てやすさ: 国家試験のスケジュールに左右されず自分のペースで学習を進めることができます。eラーニング形式であれば時間や場所を選ばずに受講が可能で、試験も国家試験のタイミングを待つ必要がなく、全国約340ヶ所にあるテストセンターにご自身で都合の良い日時の予約を取って受験していただく形となります。
実務に役立つ知識: 養成過程を実施する事業者によっては、無線業界での実務経験のある講師が講義をしたり、教材の監修をしているケースもあります。ですので、現場で役立つ実践的な知識も学べる機会があります。
数学が苦手でも安心: 数学に苦手意識がある方のために、学生レベルの数学の基礎から丁寧にサポートする対策講座 を用意している事業者もあります。
養成過程の受講条件
基本的に一陸特の養成過程はどなたでも受講していただけますが、養成過程が始まる前に選抜試験をパスする必要があります。ただし、多くの事業者では選抜試験のための対策講座も本編の養成過程とセットになっているケースが多く、過度に心配する必要はありません。
また、工業高校の電気科・電気通信科卒業以上の学力、またはそれに準ずる資格・実務経験がある場合はこの選抜試験そのものが免除となるケースもあります。
オススメの一陸特養成過程の事業者は?
ここまで見てきたように、「国家試験のシーズンを気にせずに資格取得をしたい」「より確実に一陸特を取得したい」という方には独学よりも養成過程がオススメです。
中でも、オススメなのがトライアロー株式会社の実施する養成過程です。
小テストには解説動画が付属
各章ごとの理解度を確認する小テストに関しては解説動画が用意されています。この小テストは、修了試験に合格するために非常に重要となるため、その理解度を深めるための工夫がなされています。
無線業界のプロが監修
トライアローの主力事業は通信・IT・建設業界を得意とする人材サービス企業です。長年の業界とのパイプを活かし、無線業界での実務経験のある方を講師として招聘。解説動画はもちろん、テキストの監修もお願いしていますので、試験対策にプラスして「すぐに現場で使える知識」をお伝えすることで、飽きの来ない内容を心がけています。
元高校教員による数学講座も実施
文系出身者や、長く試験などとは離れている人にもチャレンジしていただけるよう、特に苦手意識が持たれがちな数学の学習サポートも充実しています。選抜試験対策講座とは別に、高校で数学を教えていた元教員による基本的な数学の動画コンテンツもご用意。養成過程では「現場のプロ」が、数学講座では「教えるプロ」が受講者をサポートします。